カラダの使い方

間違った太もものトレーニングでパドルが遅くなる

こんにちは、体軸トレーナーの山根です。
@銀座のスタバより

今回は、林先生から間違ったトレーニングをしたらどうなるのか?という事例ある?というお題をいただいたので、間違った太もものトレーニングです。
2015年の8月に起こったサッカーグラウンドでのお話をしていきたいと思います。
今日の内容はパドリングにも関連してきますよ^^

その日はジリジリと肌を刺すような感じの日差しがサッカーグラウンドに降り注いでいました。
当時、高校のクラブチーム専属のトレーナーとして活動していた僕は、その日高校の公式試合のサポートで埼玉に来ていました。
いつも通り、各選手の体調をチェックしつつウォーミングアップをし、試合のベンチに入った時のことです。

試合開始10分で1人の選手が「うぁっ」という声をあげていきなり倒れたのです。
急いで駆け寄ってみるとチームのエースでもあるフォワードの後藤君が膝を抱えてうずくまっていました。
すぐに救急処置をして、病院へ行き検査をしたところ右膝の半月板損傷という診断。
「手術をする必要はないから、炎症が治まってからリハビリでなんとかしましょう。」とドクターに言われ、病院と並行してリハビリを開始することに。

それから1か月半くらい経った後のことです・・・

なかなかリハビリがうまくいかず、動きの質が向上せずに頭を抱えていたのですが、あることを試したら痛みもなくなり、シュートやフリーキックの精度などのパフォーマンスが大幅に向上したのです。
そのあることとはいったい何なのでしょうか⁉

膝が痛くて歩くこともできなくなった原因

リハビリをしているにも関わらず、なかなか良くならないのはなぜなのかと思った僕は、後藤君がケガをする前のプレーや取り組んでいたことを分析することにしたのです。
詳しく調べていくと、トレーニングでスクワットやダッシュなどの動きのときにももの前を鍛えていたこと。
試合をした後は、膝周りやももの前がパンパンに張って疲れていたことが分かりました。

ももの前が疲れるということは大腿四頭筋というアウターマッスルが過度に働いてしまっている証拠です。
大腿四頭筋が過度に使われる理由としては、膝関節を中心とした身体の使い方をしてしまっていることに原因があげられます。
大腿四頭筋が過度に働いてしまうと、膝関節自体への負担が大きくなるだけでなく、もも裏のハムストリングスが働きにくくなってしまいます。

また、ハムストリングスが働かなくなると繋がっている大腰筋や横隔膜などのインナーマッスルも働きにくくなってしまいます。
これらは、動くときの体幹の安定感やより速く走るときに重要な役割を担っており、働かなくなることでパフォーマンスを下げる原因になったりします。
後藤君がリハビリをしていてもなかなか良くならない理由は、こういった身体の使い方に問題があったからなのです。

実際に本人に膝ばかり使っていたときのプレーの感覚を聞いてみたところ、
「最初の方はまだいいけど、疲れてくると身体が急に動かなくなってきたり、安定しなくなってくるんですよねぇ。こう、前に進もうとしているのにブレーキがかかったように進まないんですよ。最悪な時は膝も痛くなるときもあります。」
といったようなことを感じていたようでした。

全ての動きに関わる関節

こういった状況に陥ったときに大切なのは、まず膝関節中心の身体の使い方を修正していくことです。
膝関節中心の身体を使い方を修正するために重要になってくる場所が股関節になります。

なぜなら、股関節にはハムストリングスや大腰筋といった筋肉が付いている場所だからです。
大腰筋は横隔膜や腹横筋、脇腹の腹斜筋と繋がっており、腹斜筋は脇の前鋸筋と繋がっています。
つまり、股関節が使えるようになることでダッシュするときの加速力が上がるだけでなく、上半身からの力の伝達に繋がりが出来るため、全身の力を使って効率的に身体を動かすことが出来るようなるといったわけなのです。

後藤君にもこのことを伝え、実際のリハビリに取り入れながら調整をしていったところ、1週間ほどで完全に痛みがなくなり、シュートやフリーキックの質に変化が出てきましたね。

怪我をする前のパフォーマンスと復帰後のパフォーマンスを比較してみても本人から、
・相手と競り合いになったときに当たり負けしなくなった。
・感覚が鋭くなったせいか、修正しやすい。
・何より試合後や練習後の疲労感が全く違う。
といったような反応が返ってきました。

ちなみにサッカーだけでなく、全てのスポーツでもこの事は重要になってくるので、股関節を使えるようにしていく事はとても重要なんですよね。
パドリングでも股関節が使えるようになると、パドルが速くなると林先生は言ってて、実際に講座を受けた方からは「パドリングに自信あったけど、更に速くなってラクになりました」という声もいただいています。

前述したとおり、股関節を使えるようにすると、大腰筋・横隔膜や腹横筋、脇腹の腹斜筋と繋がっており、腹斜筋は脇の前鋸筋と繋がっているからです。
腹ばいの状態で股関節を使えるようになれば、脇まで使えるようになるので前鋸筋が付いている肩甲骨も使えるようになるというわけですね^^

股関節を使えるようにする体操

・足幅を肩幅に開き、つま先と踵を真っ直ぐにする。
・外くるぶしに体重を乗せながら、ビキニラインの中央を手で押さえる。
・押さえながら、お尻を後ろに突き出し、お尻に近い部分のもも裏の部分が伸びるのを感じる。
・起き上がる時はお尻に近い部分のもも裏を挟むイメージでゆっくりと身体を起こす。
・10回ほど繰り返す。

このワークを行うことで、大腿四頭筋などのアウターマッスルの働きが抑えられ、大腰筋やハムストリングスが働きやすくなります。パフォーマンスが伸びずに悩んでいた後藤君にもこのワークを指導したことで、パフォーマンスが大きく向上しました。

もし、あなたの周りに股関節が固い人がいたらシェアしてあげてくださいね!!

 

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